第10話
平成インターネットはなぜ終わったのか──31億円倒産のその先
2025年、株式会社サーベラスは破産した。負債31億8135万円。西新宿の雑居ビル10階から始まったWEBビジネスは、静かに幕を閉じた。
だが、この事件は単なる一企業の倒産ではない。サーベラス破産は、“平成インターネット”そのものの終わりを象徴しているのかもしれない。
「ネットなら人生を変えられる」
2000年代、インターネットはまだ“夢”の場所だった。検索順位を上げれば稼げる。広告を回せば売れる。メルマガを送れば金になる。会社に勤めなくても生きていける。そう信じられていた時代だった。
スピードが正義だった
当時のネット業界では、“早く動いた者”が勝った。法律より早く、規制より早く、審査より早く、検索順位を取り、広告導線を作り、収益システムを回す。そこには独特の熱狂があった。
「グレー市場」の拡大
情報商材、風俗広告、出会い系、開運商法、副業ビジネス。現在より遥かに規制が緩く、巨大な利益が生まれた時代だった。そしてその裏側で広告代理店、SEO業者、ASP、システム会社が巨大化していった。
Googleが変えた世界
Googleアップデート、検索アルゴリズム変更、ブラックSEO規制、広告審査強化、税務当局の監視によって、検索順位だけで稼ぐ時代は終わり始めた。
「31億円」という数字
サーベラスに課された31億円の追徴課税という数字は、“平成ネットマネー”の巨大さそのものを示しているようにも見える。
平成インターネットは終わったのか
会社もサイトも消える。だが、Wayback、登記、魚拓、検索キャッシュなど、時代の痕跡は今もネットのどこかに残り続けている。