第6話
破産管財人が見たもの──31億円倒産のあとに残された帳簿
会社が止まったあと、本当の調査が始まる。2025年10月27日、株式会社サーベラスは東京地裁から破産手続開始決定を受けた。
負債総額は31億8135万円。だが、破産とは単に会社が終わることではない。そこから先は、破産管財人による調査が始まる。
債権者は約4名
倒産情報で特に異様だったのは、債権者の数が約4名とされた点である。負債31億円超の倒産としては、極めて少ない印象を受ける。
管財人が確認するもの
破産手続きでは、破産管財人が預金、売掛金、車両、不動産、備品、関係会社への貸付、役員への資金移動、過去の支払いなどを確認する。帳簿に残る数字と実際の資産が一致しているかが問われる。
広告会社の帳簿
WEB広告会社の帳簿は、外から見ると分かりにくい。広告費、外注費、制作費、SEO対策費、システム利用料、成果報酬、コンサルティング料など、名目はいくらでも存在する。
「口座がない取引先」という違和感
法人取引において、銀行口座を持たない相手との取引は一般的ではない。現金払い、手渡し、第三者経由、別名義などが存在した場合、帳簿上の整合性を取ることは難しくなる。
破産後に消えるもの、残るもの
会社が破産すると、多くのものが消えていく一方、登記、裁判所の記録、倒産情報、取引先の記憶、過去のサイトの痕跡、金の流れは残る。
誰が何を知っていたのか
税務調査の開始時期、修正申告の判断、代表変更のタイミング、事業停止の判断、破産申請までの流れを時系列で並べると、サーベラス崩壊の輪郭が見えてくる。